口腔ケアは他のケアと同じく本人あるいは介護者が日常のケアの中で行います。
一般的にはブラッシング、うがい、義歯洗 浄などがありますが、どれも正しい方法で行わなければトラブルのもとになります。
例えばブラッシングが歯の一部分にしかなされなければ、歯 ブラシの毛先のあたらないところには、虫歯ができるでしょう。
義歯も裏面を清掃しなければカンジタ菌を主体とするプラーク でヌルヌルしてきます。
残存歯がある場合にはプラークの形成、歯石の沈着などお口の中の状態は 悪化してきます。
この場合、歯石の除去をしなければ、 おロの中の状態の改善は得られません。
どんなケアも専門職の指導のもとに行う必要があります。
こんな場合には、歯科医師に診察を依頼しましょう。
介護者が口腔ケアをおこなうにあたって要介護者に苦痛を与える場合があります。
その原因を除いてケアを行なわないと目的は達せられません。
1,う触症(むし歯)
老人のむし歯の一つに、歯周疾患や老化により露出した歯根にできるむし歯があります。
このむし歯は歯の神経に近く歯ブラシなどで刺激すると激痛がおこることが少なくありません。
2,知覚過敏症
誤った歯みがきは歯のはぐきに近い部分を摩耗したり歯の根を露出させます。
この部分に刺激が加わると過敏に反応し痛みが生じます。
3,歯周疾患
歯石や歯垢に汚染されて歯周炎が起こると、歯肉は赤く腫れ僅かな物理的刺激に出血し痛みを感ずるようになります。
4,義歯による傷
義歯が歯肉を強く圧迫する所に潰瘍が生じます。
5,口腔内乾燥症
老化にともなう唾液量の減少は、唇や口のなかの潤いが失われ、食べ物を飲み込むための細かさや柔らかさにすることが難しくなり、食べ物も飲み込みにくくなります。
6,舌痛
老化にともない舌の尖端にあらわれ、刺激が加わると強い痛みを感じるます。
7,オーラル・ジスキネジア
下あごが動いてしまって安定しない。また、噛みあう歯がない場合、口をうまく閉じられないため、歯によって歯肉が傷つけられてしまいます。
8,顎関節症
口が開けにくかったり、痛みがあると協力が得られにくいです。また、ケアをするのに十分な視野が得られないため困難をともないます。